外国の城郭石垣にも興味深いものがあるので、以下にご紹介します

クルムロフ城

クルムロフ城は、チェコ・南ボヘミア州の都市:チェスキー・クルムロフにある。13世紀後半、ボヘミアの重要な通商路であるモルダウ川(ヴルタヴァ川)を臨む崖の上に建設された。チェスキーはチェコ語で「ボヘミアの」という意味であり、クルムロフは「川の湾曲部の湿地帯」という意味である。

注)ボヘミアとは、現在のチェコの西部・中部地方を指す歴史的地名。

 

クルムロフ城は、13世紀にこの地を治めたヴィートコヴィツ家が築き、14世紀にロジェンベルグ家に渡り、16世紀まで、町は手工業と交易で繁栄を極めたと伝えられている。その後、城主は目まぐるしく変わり、増改築が重ねられた結果、チェコではプラハ城に次ぐ規模の城郭になった。チェスキー・クルムロフは、19世紀に入ってオーストリア=ハンガリー帝国の支配下に、20世紀にはドイツ領に、そしてチェコスロバキアに復帰した。ロマネスク様式の美しい街並みが今も残っており、世界遺産に登録されている。

 

クルムロフ城は、モルダウ川の臨む自然の固い岩盤を活かしその上に築城されている。クルムロフ城の近くの川や橋にも石が使われており、その積み方には伝統が感じられるところが多い。その石積みには、定型的な石を積んだところもあるが、全体的に、自然の岩盤を活かし一つひとつの石の個性を見極めて積まれたところが多く見受けられる。そこには、日本の戦国時代の城郭石垣の積み方と似たところがある。

 

東側の石垣
東側の石垣
東側入口 右側の石垣
東側入口 右側の石垣
西側から見るクルムロフ城 固い岩盤の上に立っている
西側から見るクルムロフ城 固い岩盤の上に立っている
クルムノフ城から西の街を見る
クルムノフ城から西の街を見る
石垣中央下と右上に石垣の排水口が見える
石垣中央下と右上に石垣の排水口が見える
モルダウ川を臨む岩盤の上に立つクルムロフ城
モルダウ川を臨む岩盤の上に立つクルムロフ城
建設年代の違いを感じさせる様々な石垣
建設年代の違いを感じさせる様々な石垣
様々な石垣の組合せ
様々な石垣の組合せ
一つひとつの石の個性を見極めて積んだ石垣
一つひとつの石の個性を見極めて積んだ石垣
アーチ門の石垣
アーチ門の石垣
高い石垣1
高い石垣1
高い石垣2
高い石垣2
クルムロフ城近くの石橋
クルムロフ城近くの石橋